田舎の大人な冬

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ニューヨークは相変わらず記録的寒波が続いています。日本留学時代を含めここ数年は-10℃以下を経験してないのでちょっと辛いです。それでもワタクシ、韓国出身なので昔は-10℃なんか平気だったし、12月もスカートの制服で通学してましたよ。

さてと、この前の里帰りの時の話です。
ご存知の通り私の実家は田舎です。いや〜田舎と言っても今は都会とそんなに変わらない生活ができるんですよ。なに、NHKの朝の連ドラみたいなド田舎は今時珍しいんじゃないですか?よくテレビ番組に芸能人が田舎生活を体験するといったような企画がありますけど、ケイタイの電波が届かないとか、テレビが映らないからラジオしか聞けないとか、買い物が出来ないから畑で取れたものしか食べられないとか。。。そういうのね。もちろんどこかにそういう地域もあるでしょうけど、田舎って全部が全部そういうわけじゃないし (`o´)!って、田舎出身の方がわかりますよね。

でも一生都会で暮らして、田舎に親戚が一人もいない人だと田舎とはそういうもんだとばかり思い込むわけです。テレビで見たあらゆるダサい田舎を総合して「田舎はそういうもの」と究極の田舎イメージを構築してしまい、時には自分が作り出したイメージに憧れたり。
私の姑と舅が典型的にそういう人です。二人ともソウルっ子なので田舎とは朝鮮戦争の時に疎開した時の記憶しかない。。。って、朝鮮戦争って何年前の話なのよ。たまにお話を伺っていると突っ込みたい時もあります。
だって、結婚前に旦那が私の実家に初めて挨拶に来た時、姑さんが旦那に「藁葺きだった?瓦葺きだった?」と聞いたらしいからこれはちょっと怒りますよっ!

瓦葺きだけど。。。 ハッΣ(; ̄△ ̄A
いや!でも藁葺きはさすがにないでしょ!!
それに、二人とも田舎への興味の深いこと (*-д-)-з
「貴方の実家は田舎だから〜」で始まって
お湯はどう沸かしてるの?暖房は?薪とか焚いてる?
水道は通ってる?井戸で掬ってるんじゃないの?
真面目な顔で本気実門が尽きません。

この前旦那と二人で私の実家に何日か泊まった時、平年より温かい日が続くなか1日だけとても冷える日がありました。確か夜の気温が-10℃以下だったはず。
あの時も旦那の親から電話がきて、車が凍るんじゃないのやらなにやら心配事が終わらない。。。 (ノ_-;)ハア…

義母さん義父さん、我が家にも車庫はありますよ。
水道ちゃんと通ってますし、お湯も出ますよ。暖房もソウルと変わらないし!
凍ってさえなければね。
凍ってさえなければね。
凍ってさえなければね。

そう。
その日。
車が凍るのなんだのとソウルマダムが騒いだあの日。
平年より温かい日が続いたせいで油断してた我が家に、例のアレが訪れました。

水道結氷
 Σギャ——— >*0*< ————ッ!?

私がまだ高校生だった時は今より冬の寒さも厳しかった気がします。あの時は毎年冬になると何回かは水道の配管が凍って水が出てこない事件が起りました。清潔さイノチの女子高生にはこれより辛いことはない!お湯を沸かして配管を温めたり(いつも凍るネックは知っているので)事前に毛布をくるくるしておいたり、、、田舎の冬の風景でもあったのに。。。今回だけはワタクシも親もすっかり忘れてました。というか親はもう気にしない様子。

ということで、お湯ところか水も出てこなくなったのでシャワーもできず。。。
次の日は旦那の実家に戻る予定だったのでこんな汚いカッコでは姑さん舅さんに失礼!どうかしてよ〜!!と高校生の時の神経質が復活。
そしたらお母さんがお風呂セットが入ったカゴを渡しながら「行ってきぃ」と言うんです。
 (ノ_-;)ハア…
スーパー銭湯かあ。。。
なにかと敏感な女子高生時代は「知り合いに会うと嫌だから」と決して行かなかったのですが、私の実家の近くは温泉が湧くのでスーパー銭湯も人気なんです。
もうおばはんになったし、今や友達も殆どが上京してるから知り合いもいるまい。ま、いいかとカゴを受け取り、旦那と二人で車へ。

温泉は車で15分ほどの距離にあります。外は既に真っ暗。自分で運転してあの町を回ったことがないから道もよく分からない。。。でも多分この辺だろうとうろ覚えで夜道を走っていくと、
あった!
「◯◯温泉」の道しるべがありました。
ほんじゃあ、ゆっくり銭湯入って、1時間後に駐車場で待ち合わせしようかねと旦那と話している時

 ☆:.(`・∀´・+)ノ.:☆.:゚+
なにこの目の前がいきなり明るくなる感覚!!!

真っ暗な田舎の道にいきなり現れる光の海!
色も鮮やかな光がピカピカするわ、グルグル回るわであら素敵!!!

で、あれ、なあに?

そこでビックリ。なんと、スーパー銭湯の前にラブホの村が出来ていたんです。いかにもラブホっぽい「サファリ」とか「カフリ」とか「アルフス」などなどの看板がド派手。建物全体が発光してる Σ(☆∀☆〃) なに!デッカい風車も回ってるんですけど〜
すごいなこのラブホタウン。田舎の山道を走ってきてこんなんだから、そりゃあ目が覚めますわな。鬼の幻って勘違いしてもしゃあないわ〜 (*´σー`) ヘヘ… と、旦那と冗談を交わしているうちに。。。だんだんと雰囲気は妙な方向へ
タイミングよくラジオではドロドロな音楽が流れ始め。。。


キムキム:もうおばはんおじさんやし、ええやないか .:゚+(● ̄m ̄●) ムフッ♪
ハンハン:キャーでも知り合いにでも会ったらどうしよう (/ω\*) ハジカシー
キムキム:会ってなんぼ!俺について来い。
ハンハン: (っ´∀`c)キュンキューン

ということで、なんか、そういう流れになってしまって
車はあの怪しい布の掛かった駐車場へ勝手に滑っていくのです。。。



ドキドキワクワク
なんか。。。大人のワンダーランドへの入り口?!?!
なんか知らんけど顔赤くなった気がする (/ω\*) 

入浴カゴを抱えて恐る恐る車を降りると


そこら辺走り回る子ども

子ども?

子ども?!?!!!!

車のびっしり入った駐車場に楽しそうな顔の家族連れやお年寄り。
皆手に手に入浴カゴ。

なるほど!!このラブホタウンは貸し風呂みたいに使われているのね!
もちろんラブホ本来の目的を求めて訪れる人もいるでしょうけどね。キムキムとか、、、

これなら気兼ねせず入れるわ。
さっさとラブホに入り、堂々と部屋を選び、いざ入室。
我々が入ったのはアルフスというラブホだったんですが、入ってみるとまたなるほど!これはアルフスねって感じでした。インテリアもアルフスっぽくドアや床もこだわりのデザインでした。もちろんお風呂には温泉水が。

一般家庭にはない巨大湯船にどっぷり浸かって、温泉水だからお肌もツルツル〜 .:゚+(*´∀`*) ポワワ.: *:・

どお〜〜?せっかくのラブホだし、ラブラブしちゃう? (* ̄◎ ̄*)ぶちゅ〜〜ん♪.:゚+

でも風呂から上がってみたら旦那のキムキムは頭にタオル巻いてぐうぐう寝てましたのさ〜
 (´ι_` ) ガッカリ

とにかく快適な入浴でした。貸し切りの露天風呂にも負けないわよ〜
ぽかぽかになって家に帰ったら、母曰く
「もうスーパー銭湯は営業終わってる時間やんな」と言いながらなんか意味有り気な笑顔;;;

ドライブしてきてんねん! o(`ε´*)oプンプン!!



その翌日、旦那の親に「田舎は寒くて水道とか大丈夫だった?」と聞かれた時は
思わず赤面してしまいました。

田舎の大人な冬。満喫してきました (^_<)-☆

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