先週から始まったサマータイムが実はニューヨーク州法に違反している?!

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先週の日曜日(3月十日)の深夜2時に、私は不思議な経験をしました。なんと!2時から3時にタイムスリープしちゃう経験 Σ(゚Д゚;)!


大げさにしすぎてすみません (^_^;A
3月の第2日曜はスタンダードタイムからサマータイムに移行する日だったのです。ということで、1時59分から3時00分に時間を飛ばし、いつもより寝られる時間が1時間減ったという、とても損した気分を味わいながらどうしても朝が辛いという思いをしたニューヨーカーの皆さんもたくさんいらっしゃると思います。


時差の慣れは1時間に1週間かかるというので、今週からはまだマシになっているといいのですが。。。



サマータイムとは?

さてこのサマータイム。我々にはない制度なので、とても気になります。
私がアメリカに来たのは去年の7月。既にサマータイムが適応されていました。そしていよいよ11月の第一日曜日にスタンダードタイムに切り替える日を迎え、その威力に感心したものです。この場合は3月に1時間早めた自国を元通りに戻す日なので、夜が1時間長くなり、たっぷり寝られたんです ヽ(*´∀`)/


サマータイムはせっかく日の出の早い夏期なんだから、その分早く起きて日課を早めに始めようという趣旨で行われている制度です。サマータイムの正式名称がDay light saving time (略してDay light time)ということからよくわかります。すると、9時に始業する職場だとこのサマータイムの間は8時に始業するのと同じなので、朝は猛暑になる前に会社に着けるし昼休みの時間も暑さのピークタイムからずらすことができます。
夜は7時過ぎ、真夏だと9時近くまで外が明るいので、1日を2日のように使うことも可能。



サマータイム導入の背景

サマータイムについてお話をする前に、スタンダードタイムの話が欠かせません。実はアメリカは現在国内を四つのタイムゾーンに分けていますが、四つになった歴史は意外と浅く、19世紀後半のことだそうです。その前はなんと100以上ものローカルタイムが存在していたというから、ある地域ではは同じ州のなかでも二つ以上の標準時を設けていたとも言えるでしょう。それが19世紀の後半に入り、四つに統合されるのですが、その原因はやっぱり。。。
鉄道です。


汽車の発着時間や乗り継ぎなどをスムーズに行うためには100以上のローカルタイムはさすがに多過ぎるので、Rev. Charles F. Dowdという人の提案を基に四つのタイムゾーンに分け、ニューヨーク州はグランドセントラルターミナルで1883年に公式的に東海岸標準時(ET)を採択することになりました。
しかし、この標準時は鉄道の世界では認められたものの、ニューヨーク州が州法によって認めたのは1918年だそうで、その時にサマータイム制度も合わせて導入されました。



どこが違法なの?

しかしこのアメリカというのは連邦法と州法が存在するわけで、そこで食い違いが生じるとなかなかややこしいことになり得ます。
例えば、1966年に連邦法をそのまま受け入れて「4月から10月まで」とニューヨーク州法に記されたサマータイムの適用期間はその後一度も修正されることがありませんでした。反面、連邦法は2005年にこのサマータイムの適用期間を4週間増やして「3月の第二日曜日から11月の第一日曜日まで」と変わり、ニューヨーク州も慣習的に連邦法と同じ時期にサマータイムにシフトしています。
税金や交通法、麻薬や銃器類に関する法律まで、細かい部分は州法に委任している部分が多いアメリカですが、さすがに飛行機や鉄道で繋がっているこの時代、標準時に関しては連邦法に従うしかありませんね。
ただし、ニューヨーク州法はまだ修正されていないままなので、3月の間はまだ法律上ではサマータイムが適用されていないということに!


実に複雑な、巨大な国土をもつ国ならではの、また各州が独立的な存在としていられる国ならではの事情ですね。


※以上の記事は2013年3月7日付けのThe New York Times
N.Y/REGIONセクションに掲載されたDaylight Time Does Begin on Sunday, Despite the Local Lawを参考に作成したものです。

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